忘れられない鍵屋さんへの感謝

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少し前、鍵師を題材にしたドラマを見ていて思ったことです。
私が鍵屋さんに対して描いていたイメージというのは、こぢんまりとした店内に、壁じゅうに鍵が引っ掛けられていて、カウンターの向こうにメガネをかけたおじさん鍵師がじっと座っているという、あまり現代の世界とマッチングしない光景です。
ところが、そのドラマの中に出てくる鍵屋さんは自分に開けられない鍵はない!というスタンスで、数々の難事件を解明していくというものでした。
ものすごく鍵屋さんをかっこいいと思ったのです。
確かに鍵屋さんというのは、ある種専門職になるでしょう。
地味ではあありますが、町に1件くらいないと困ってしまいます。
例えば、夜仕事から帰宅した時に玄関の前で鍵を会社に忘れてきたことに気づいた時、24時間営業の鍵屋さんが近くにないと、悲惨な夜を過ごすことになりますよね。
そういう意味で、鍵屋さんは町のヒーローなわけです。
ここで、私が鍵屋さんに感謝した忘れられないエピソードを紹介します。
10年ほど前、会社の転勤で、広島のとあるオートロックマンションにすんでいた時のことです。
深夜、会社から帰宅した時、マンションの前で鍵がないことに気がつきました。
その時、季節は真冬でとにかく寒かったことを覚えています。
となりの部屋の人にピンポンして、鍵を忘れたからオートロックを解除して欲しいというと快く開けてくれました。
当時は感謝しましたがいま思うと、その住人はなんて無用心なんだとも思います。
だって、鍵をなくしたんであれば、オートロックの玄関に入れても、自分の部屋に入れないのだから、鍵をなくしたからオートロックを解除して欲しいというのは、不審極まりない行動なのです。
まあ、私は隣人の計らいにより、自分の部屋の前まで辿り着きました。
朝、部屋の鍵をかけ忘れて家を出たことを願いながらドアノブを回すと、鍵はやはりかかっていました。
絶望を感じながら鍵屋さんを携帯のネットで検索し、運良く見つかった鍵屋さんに来てもらいました。
寒い中、その鍵屋さんは鍵を開けてくれました。
15000円も取られましたが、暖かいベッドで過ごす夜を迎えさせてくれた鍵屋さんには感謝しています。

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